偽造品・模倣品による被害が増加中

インターネットの普及と電子商取引（EC）の発展により、偽造品・模倣品の被害は近年インターネット上でも急速に拡大しており、企業にとってその対策は喫緊の課題となっています。

2021年には、世界全体の輸入の約2.3％（約4,670億米ドル相当）が偽造品で占められていると報告されました。さらに、2023年にはその割合が約3.3％に上昇し、2030年には5％に達する可能性があるとも言われています。

（出典：Corsearch, OECD/EUIPO）

日本企業においてもその被害は深刻です。2023年には、日本企業が被った模倣品被害の総額は約5.8兆円（約438億米ドル）と推計されており、2020年と比較して大幅に増加しています。

（出典：OWLS-CG）

また、特許庁の2021年調査によると、2019年の世界貿易のうち約2.5％が模倣品に該当しており、日本の企業は輸出総額の約9.6％に相当する約3.2兆円の被害を受けていたと推計されています。

被害はブランド品に限らず、医薬品・食品・化粧品・家電など幅広い分野に及んでおり、企業の信頼やブランド価値を損なうだけでなく、消費者の安全にも重大な影響を及ぼす問題となっています。

このような背景から、従来の偽造防止手段では対応しきれない状況が広がっており、より高度かつ再現が不可能な偽造対策技術が求められています。

経済的な損失だけではない偽造品・模倣品の被害

偽造品・模倣品の被害は、単にメーカーや販売店の利益を損なうだけではありません。
その影響は、企業のブランド価値や消費者の安全にまで深刻な被害を及ぼす可能性があります。

近年では、「スーパーフェイク」と呼ばれる極めて精巧に作られた偽造品が出回っており、販売店でのチェックすらすり抜けるほどの完成度を誇ります。
こうした偽造品は、正規品との見分けが非常に難しく、誤って消費者の手に渡るケースが後を絶ちません。

例えば自動車業界では、こうした偽造部品が原因とされる年間150万件もの自動車事故が報告されており、それがニュースとして取り上げられることで、製造元のメーカーやブランドの信頼が大きく損なわれるリスクがあります。

偽造品による被害は、ブランドの信用低下だけでなく、時に人命に関わる重大な結果をもたらすこともあるのです。
こうした現実を前に、信頼できる真贋判定技術の導入は、企業にとって欠かせない防衛手段となっています。

カスタマーの安全・安心のために

偽造品・模倣品への対策は、メーカーや販売店の利益を守るだけではなく、製品を使用するカスタマーの安全と安心を守るという、極めて重要な役割を担っています。

この問題を放置すれば、命や健康に関わる重大なリスクを生む可能性があります。

例えば自動車においては、偽造部品の使用が原因で事故が発生し、連鎖的な二次被害を引き起こす危険性も否定できません。
また、身近なスマートフォンでも、偽造バッテリーによる発火・爆発事故が報告されており、こうした製品が流通することで、消費者が知らないうちに危険にさらされる可能性があります。

カスタマーが安心して製品を使える環境を守るためにも、確実な真贋判定技術の導入は不可欠です。

これまでの対策では防ぎきれない現状

これまで、偽造品や模倣品の対策としては、製品への特殊な印刷や、ホログラムステッカーの貼付などの手法が用いられてきました。
こうした技術は一時的には有効でしたが、近年の高性能な印刷機器や複製技術の進化により、模倣が容易になりつつあります。

結果として、これら従来の偽造防止策だけでは、精巧に作られた偽造品を見分けるのが困難な状況が広がっています。

こうした背景の中で、「偽造・模倣が不可能であること」と「確実な真贋判定ができること」を両立した新たな技術が、今まさに求められているのです。

「ニセモノ」を「ホンモノ」にしないために

私たちが開発した「透かし刻印技術（WEM）」は、日本品質に裏打ちされた特許技術です。
この技術により、精巧に作られた偽造品・模倣品も確実に識別・排除することが可能となり、本物だけが市場に流通する環境を支える仕組みを実現しています。

私たちはこの技術によって、企業の信頼とブランドを守り、製品を使うユーザーの安全と安心を守ることが、ひいては日本の産業競争力と国益を守ることにもつながると考えています。

そしてこの技術を、日本国内にとどまらず世界中に広めることで、誰もが安心して製品を手に取れる社会の実現を目指しています。